つぶやき その二十六                令和5年10月13日

2023/10/17

豚が空を飛んでやってきたという話

 

長引いたコロナ渦の影響で弊社の恒例行事である社内旅行は3年間実施見合わせの状態であったが、今年4年ぶりの復活となり、“再開の肩慣らし”としては安近短の箱根&鎌倉辺りが丁度いいのでは!?との意見が大勢を占めたので、先週末、関東GT自慢、企画盛沢山の1泊2日のバス旅行の実施と相成った。今年も幹事さんの名演出&名采配により至れり尽くせりのとても楽しい旅となったのだが、ブランクが長かったせいもあり、2日目の帰路の車中は例年通りの勢いが失速気味となり、映画のDVD上映(これまでの旅行では略不要の産物であったのだが・・)が実施された。リクエストはスタジオジブリの代表作の一つ、”ハウルの動く城”。筆者も当然のことこれまでに何度も観た内容と思っていたのだが、ストーリーが進むに連れて、「いや、これ最後まできちんと観たことなかったなぁー」ということになり、途中からは食い入るように見入った次第である。同様に全部制覇したと信じ切っていたジブリ映画の中で、今一つストーリー展開の記憶が曖昧な作品に「紅の豚」がある。これも一度、きっちりと見直してみる必要があるな!と感じている。

さて、「紅の豚」といえば戦闘機乗りの〝豚”君の映像が思い浮ぶのであるが、現実の世界で”空を飛んでやって来た豚”の事実があることを皆さんはご存じであろうか?  時は今から63年前の1960年、アメリカ空軍の全面的なバックアップを受けての前代未聞の豚の空輸作戦が実施され35頭の生きた豚が米国アイオワ州から日本の山梨県にプレゼントされ、その豚の子孫は9年後には50万頭まで増えたと試算されている。支援の切っ掛けとなったのは前年である1959年に日本を襲い未曾有の被害をもたらした伊勢湾台風の存在である。当時山梨県とアイオワ州は姉妹都市関係にあったため、この一件、表面上は両国間の友好の架け橋として感謝感激で日本に迎え入れられたのだが、その後、養豚に飼料原料として必要な1,500㌧のとうもろこしが海上輸送で送られてくることで、”個人経営”規模の養豚が”企業経営の養豚”へと大きく舵を切っていったわけである。今から思えば、35頭の空を飛んできた豚も1,500㌧の海を渡ってきたとうもろこしも、アメリカにとっては「安い贈り物」だったなぁーとしみじみ思う今日この頃である。

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